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CMMI ConsultingCMMIコンサルティング

Consulting services applying CMMICMMIを適用したコンサルティングサービス

CMMIのリードアプレイザーや経験を積んだコンサルタントが、お客様の業務プロセス改善をお手伝いいたします

CMMIを適用したコンサルティングサービス

CMMIはカーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所(SEI)が開発し、現在はISACAが提供している組織能力改善やプロセス改善のためのモデルです。
SEIは世界中の組織やプロジェクトを分析し、優れた組織やプロジェクトが「何を実施しているか(What)」をプラクティスとして特定し、それらをまとめてCMMIとしてモデル化しました。
プラクティスの数は200を超え、組織管理、プロジェクト管理、ソフトウェア開発、サービス提供、供給者管理、セーフティ/セキュリティ、人材管理、データ管理等の、組織オペレーションの幅広い領域をカバーします。CMMIはソフトウェア開発組織のための改善モデルというイメージが強いのですが、実はあらゆる組織で適用可能です。
2024年7月現在のCMMIの最新バージョンはV3.0です。1つ前のバージョンであるV2.0から「何を実施しているか(What)」に加えて、「そのプラクティスを実施する価値(Value)は何か?言い換えれば、なぜ実施するのか?(Why)」が明確に記述されるようになりました。
これによりCMMIのユーザーは以下のようなメリットを享受できます。

  • 自分達は「要するに何を行えば良いのか」「それは何のため行うのか」についての本質を理解することができるので応用力が高まる。
    言い換えると、状況の変化に応じて、仕事のプロセスを定義したり改善したりできるようになる
  • 自組織の改善の機会を幅広い視野を持って特定することができる。

当コンサルティングの主なサービスメニューは以下の通りです。

CMMIウォークスルー

ISACAの認定するCMMI高成熟度リードアプレイザー(HMLA)※やCMMIの有識者が、お客様と一緒にCMMIのモデルをウォークスルーし、議論をファシリテートすることで、以下を目指します。

  • お客様がCMMIのモデルの使用方法と各プラクティスの意図を理解する。
  • お客様が自組織における優れたやり方や改善の機会に気がつく。

CMMIの知識が全く無い方も理解していただけるように説明します。またISACA 公式のCMMIコースを受講される方はその予習あるいは復習としてもご活用いただけます。

※CMMIは5段階の成熟度を定義しています。成熟度レベル4及びレベル5は「高成熟度」と呼ばれ、統計的技法の適用が要求されます。通常のリードアプレイザーはレベル3以下のアプレイザルのリードを行います。一方、高成熟度リードアプレイザー(HMLA)は「高成熟度」を含めた全てのレベルの評価をリードすることができます。SI&CにはHMLAの有資格者が所属しています。

CMMIギャップ分析

HMLAやCMMIの有識者が、CMMIのプラクティスとお客様の現状の活動の間のギャップを見つけ、改善の機会を特定します。現状の把握はインタビューまたは成果物の確認を通して行います。
詳細な分析結果と、報告書をご提供し、今後の改善活動の戦略や計画を立てる上での基礎として活用していただきます。

CMMI公式アプレイザル

HMLAが、お客様の組織のCMMI成熟度レベルを評価いたします。インタビューと成果物の確認の両方を通じて行います。
公式アプレイザルでは、HMLAに加えて、お客様の会社あるいは外部からCMMIの有識者を3人以上集めてチームを作ります。HMLAのファシリテートの元、HMLAを含めたチームメンバー全員で合意しながら評価します。
アプレイザルで評価した成熟度レベルの結果はISACAのサイトに3年間掲載されます。CMMIは100か国以上で長年活用されている実績のあるモデルですので、その成熟度レベル達成は、その組織が優れた能力を持つことを客観的に証明するため、お客様の信頼獲得に役立ちます。

(コラム)SI&CのCMMI活用アプローチ

1.当社の考えるCMMIの価値

自分たちのやり方と優れた組織で実践している事をまとめたCMMIを比較・見直しを行い改善サイクルを起動する。

1-1.CMMIは優れた組織でおこなわれていることをまとめたもの

変化の激しい時代、組織が高品質の製品とサービスを提供し続けるためには、優れたプロセスの構築と、その後のたゆまぬ改善が不可欠です。
自分たちの問題点を洗い出し、その原因を追究し、改善することはどの組織でも多かれ少なかれ実施しています。しかし、そのやり方は個人の勘や経験、力量に依存しているため、問題定義や原因追究は必ずしも十分でなく、それらに基づいて策定した改善策の効果もまた不十分というケースが多いのではないでしょうか。
CMMIはカーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所(SEI)の開発した、プロセス改善モデルです。SEIは多くの成功した組織やプロジェクトの事例を収集・分析・整理し、優れた組織では何がおこなわれているかを「プラクティス」としてCMMIにまとめました。
この「プラクティス」を参照することで、広い視野を保つことができるようになり、適切な問題定義と、より深い原因追究が可能になります。

1-2.CMMIは行動変革・能力向上のモデル

CMMIは一般的にはプロセス改善のモデルと言われていますが、行動変革(Behavior Change)のモデル、能力向上(Capability Improvement)のモデルとも呼ばれます。プロセス改善は必ず、人や組織の行動変革を伴います。またその行動変革は人と組織の能力向上に繋がらなければ意味がありません。そう考えますと、CMMIは単なる「プロセス改善のモデル」にとどまらず、「行動変革、及び能力向上のモデル」として活用されるべきだと当社は考えます。

1-3.自分たちのやり方をCMMIと比較することで改善サイクルが起動される

自分や組織の仕事のやり方をCMMIの定義するプラクティスと比較することで、今まで気が付かなかった自組織の弱みが明らかになり、改善に繋がる新たな課題が特定されます。また今まで見落としていた問題やその原因が明らかになり、適切な解決策を導くことが可能になります。
また反対に、優れたことをおこなっているにも関わらず、自分たちではそれが当たり前になっているため、それに気が付かないこともあります。自分たちのやり方をCMMIのプラクティスと比較することで、その優れた点が明るみになり、組織の中で共有しようとする動きが生まれます。
このように、CMMIを適用すると、弱みを補い、強みを組織全体へ展開する活動が促進され、結果として組織の能力を高めることができるのです。

2.当社の推奨するCMMIを活用した改善アプローチ

2-1.落とし穴・・・焼畑農業(Slash and Burn)的アプローチ

CMMIに限ったことではありませんが、何らかのフレームワークを使用して改善をおこなう際に、多くの組織で陥る落とし穴があります。それは、今までの自分たちのやり方を全て捨てて、フレームワークに書いてあることや、コンサルタントが提供した標準プロセスやガイドで、置き換えるというものです。
プロセス改善のコンサルタントであるマイケル・ウェスト氏は、彼の著書の「Real Process Improvement Using the CMMI」の中で、このようなやり方を「焼畑農業(Slash and Burn)」アプローチと呼んでいます。
これを土と植物に例えてご説明しましょう。それぞれの土地は異なる「土壌」を持ち、「土壌」にはそれに適した豊かな植生があります。もしある土地で育った植物をそのまま他の土地に移植したら何か起きるでしょうか。多くの植物は環境に適応できずに枯れてしまいます。組織とプロセスの関係もこれと同じではないでしょうか。組織は独自の文化や背景(Context)を持ちますが、それが「土壌」に当たります。どの組織も自分たちのプロセスやガイドを持ちますが、それらが「植物」に当たります。コンサルタントが自分たちのやり方を元に作成した標準プロセスやガイド・テンプレートを、お客様がそっくりそのまま展開した結果、私たちは何を目撃するでしょう。それは「v1.0初版発行」という文字だけが最初の一行にあり、それ以外は真っ白の改訂履歴が付いている、誰にも使われたことのない標準やガイドの山です。つまり、枯れて果てた植物の残骸です。

2-2.自組織の資産を育てながら弱みを補うアプローチ(当社推奨)

先ほど述べたように、CMMIは優れた組織やプロジェクトが何を実施しているかをモデル化したものです。“モデル“ですので、様々な組織で参考になるように、表現は抽象化され、何をすべきか(What to do)が記述されています。
一方でどんな組織も自分たちのやり方(How to do)を持っています。その中には、組織文化・仕事の特性・長年の経験等、様々な背景をベースに最適化されたやり方が多数含まれています。
前述のマイケル・ウェスト氏は同じ著書で「焼畑農業(Slash and Burn)」の対極にあるアプローチを「除草と育成による自然なプロセス改善アプローチ(Natural Process Improvement through Weeding and Nurturing)」と呼んでいます。当社はこのアプローチを強く推奨します。具体的な進め方は次の通りです。
まずはCMMIのプラクティス(What to do)に、自分たちのやり方(How to do)を結び付けて比較します。もし実施していないWhatがあれば新たに追加してみてください。実施はしていても何らかの弱みが見つかれば改善策を考えてみてください。もし強みが見つかれば、どうすればそのメリットを全組織で享受できるか考えてみてください。全部一度におこなう必要はありません。投資対効果の高いものから順に、優先順位をつけて実施してください。

【補足】CMMIの高い親和性
CMMIは他のフレームワーク・認証・方法論等と高い親和性を持ちます。例えば、品質マネジメントシステムに関する国際規格ISO9001とCMMIの両方を適用することにより、多くの組織が品質と生産性の向上を達成しています。CMMIはアジャイル開発などの新しい開発手法とも親和性が高く、例えば2015年にCMMIのアプレイザルを受けた組織のうち70%を超える組織が、スクラムなどのアジャイル開発のアプローチを適用しています。CMMI InstituteはCMMIのアジャイル開発への適用事例をまとめ、2017年に「A Guide to Scrum and CMMI- Improving Agile Performance with CMMI」を発行しました。当ガイドにはCMMIを用いてアジャイル開発のパフォーマンスを向上させ、その成果を組織全体に拡大するためのヒントが豊富に含まれています。また、ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティスをまとめた書籍群であるITILと、CMMIの両方を適用している組織も多く存在します。例えばITILをベースに作成したプロセスに対してCMMIのプラクティスを適用することで、現場への更なる浸透・定着と、組織全体への横展開を実現しています。これらのことは、当社の推奨するアプローチの有効性を裏付けています。

2-3.CMMI使用上の注意・・・参考情報を“要求事項“と誤解しないで

CMMIを使用する際に、1点注意していただきたいことがあります。先ほどCMMIはWhat to doが記述してあると申し上げましたが、実際にCMMIの文書を読んだ方はお分かりのように、そこには単なるWhatを超えた豊富な情報が含まれています。これらは「プラクティス」の意図を理解し、改善や解決策のヒントを得るために大変重要な情報です。しかしながらその全てを実施しなければならないと考えるのは間違いです。
CMMIで定義する“実施すべきこと(What to do)“は、CMMI V1.3では「ゴール記述、及び「プラクティス記述」と呼ばれる部分に書いてあることのみです。(CMMI V1.3の文書では背景がグレーになっている部分)それ以外の全ての情報は、参考情報あるいは例であり、自組織の特性や状況に合わせて取捨選択し解釈する必要があります。特にCMMIの成熟度レベルの達成を目指しているお客様の中には、CMMIに記述されていることは全て実施しなければ成熟度レベルを達成できないと勘違いし、膨大な量の標準文書を苦労して作成している方々もいらっしゃいました。
一方CMMI V2.0以降では、実施が必要な部分は、「必要情報(Required Information)」「PA必要情報(Required PA Information)」「プラクティス必要情報(Required Practice Information)」と明記され、V1.3以前のような誤解が生じないように改善されています。
V1.3あるいはV2.0以降のいずれを使用する場合も、CMMIの使い方を正しく理解するためには、CMMIの有識者の指導を得るのが1番の近道です。上記の説明だけでは理解が難しいと感じましたら弊社コンサルタントへお声掛けください。CMMIの基本的な使用方法についてご説明いたします。